2020年2月19日水曜日

今週の黙想文(IIコリ12:9)

力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ。
──コリントの信徒への手紙 二 12章9節

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ルカが記したパウロのダマスコでの奇跡的な出来事による回心は有名ですが、パウロ自身は手紙の中でそのことをほとんど触れていないのはなぜなのでしょうか。
まさに奇跡的なキリストとの関わりであったのですから、キリストを証しするとなれば一番わかりやすい出来事であったはずです。
パウロはむしろ、そのすばらしさの反面で与えられた「とげ」──持病を通してキリストを証しします。
特別な者にしか与えられない奇跡よりも、誰もが抱える「とげ」にこそ、神様の恵みと力とが満ち溢れているのだというのです。
それこそがキリストの十字架に示された救いの出来事であり、また私たちに与えられる最も慰め深い福音であることをパウロは聞いたのだと思います。
奇跡的な出来事だけではなく、むしろ神様を疑うような出来事のうちに「わたしの恵みはあなたに十分である。」と語ってくださっているみ言葉に力づけられてまいりましょう。

(20200216週報記載)


……今週の黙想とは……
日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れていただく機会として用いられれば幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はどのようにみ言葉を聞いて感じたかを、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。