2023年5月10日水曜日

今週の黙想文(フィリピ1:9)

わたしは、こう祈ります。
知る力と見抜く力とを身に着けて、
あなたがたの愛がますます豊かになり、
本当に重要なことを見分けられるように。
──フィリピの信徒への手紙1章9節


† † †

パウロは、フィリピの教会の信徒のために執り成し祈っています。
愛が豊かにされ、本当に重要なことを見分けられるために必要な「知る力と見抜く力」とは、一体どのようなものなのでしょうか。
それは、神様の前に自分が何者であるのかを知り・見抜く力のことです。
私たちは大人になるにつれて、様々な技術や能力を身に着け、できることが増えていきます。
それを用いて人の役に立ったり、生計を立てるためにも用いられるでしょう。
しかし一方で年を重ね、できないことが増えていくと、自分の価値を見失う人もおられます。
「大人になる」ということは決して出来ることを増やすことではなく、私たちの本当の価値を見失わなくなることではないでしょうか。
私たち一人ひとりの命の尊さが、私たちの技術や能力によらない不変のものであることを、わたしたちは忘れがちですが、神様のみ前においてそれは永遠に保証されているのです。
それこそがパウロの言う「本当に重要なこと」ではないでしょうか。
そしてそれをお互いに分かち合うとき、愛もまた豊かにされていくのです。

(20230507週報記載)


……今週の黙想とは……


日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。