2020年5月13日水曜日

今週の黙想文(詩編22:2)

わたしの神よ、わたしの神よ
なぜわたしをお見捨てになるのか。
──詩編22章2節

† † †

キリストが十字架で口にした言葉の中で最も有名なのが、詩編22編から引用されているこの言葉です。
22編には「主に頼んで救ってもらうがよい。主が愛しておられるなら/助けてくださるだろう。(9節)」という兵士の言葉や、「わたしの着物を分け/衣を取ろうとしてくじを引く。(19節)」のようにキリストの受難と重なる言葉が見られます。
キリストはそれらを思い起こしながら、言葉にできずともきっと祈られたのです。
「主よ、あなただけは/わたしを遠く離れないでください。わたしの力の神よ/今すぐにわたしを助けてください。(20節)」。
この22編は、23節以降は賛美の祈りとなり、「わたしの魂は必ず命を得」るという言葉で締めくくられます。
キリストは十字架の上においてなお、嘆きの祈りと共に、その苦しみでは終わらせることのない復活、神の救いを確信して祈られたのです。
私たちもキリストの十字架と復活を思い起こすとき、苦難と忍耐の先にある希望を、詩編22編から聞いてまいりたいのです。
それゆえに私たちはその次の詩編23編、「主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない。」という恵み深い慰めの祈りへと押し出されていくのです。

(20200510週報記載)

……今週の黙想とは……

日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れていただく機会として用いてくだされば幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。