2020年6月10日水曜日

今週の黙想文(IIコリ2:15)

救われる者には命から命に至らせる香りです。
──コリントの信徒への手紙 二 2章15節

† † †

私たち一人一人を宣教の働きに送り出そうとするとき、昇天のキリストを通して語られた「命じておいたことをすべて守るように教えなさい」というみ言葉が響いてきます。
そのとき私たちは、自分は公にキリストの教えを語ることは出来ない、と思うかもしれません。
他方で意識的にみ言葉を語らずしてどうして宣教になろうかと悩むかもしれません。
しかし私たち自身が日々の中にキリストの言葉を見いだし、それを守って生きるなら、その生活そのものが他の人への証となっていくのです。
パウロはそれを「香り」と表現しました。
私たちの信仰は、私たちが生活し、人と関わり言葉を交わす中で、否応なく香り立っていくものなのです。
何故なら私たちの最も近くにいる他者は、他ならぬ神様であるからです。
そして神様との関係のうちに滲み出る信仰の香りは、不思議と他の誰かの心を豊かにし、生かしていくのです。
「世界平和のためにどんなことをしたらいいですか」とマザーテレサが問われたとき「家に帰って、家族を大切にしてあげてください」と語った言葉を思い起こしましょう。

(20200607週報記載)

……今週の黙想とは……

日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。