2020年9月16日水曜日

今週の黙想文(詩編23:6)

命のある限り
恵みと慈しみはいつもわたしを追う。
──詩編23章6節

† † † 

この詩編を読んで、そのとおりだと頷ける人は多くないことでしょう。
むしろこの詩編の作者がダビデのものだと知るなら、彼だからこそ言えたことだと思うかもしれません。
彼がイスラエル王国が最も繁栄した時期の王様であり、圧倒的な武力を誇った英雄だというイメージを持っているなら尚更です。
しかし、実際にはダビデもまた常に他国の脅威にさらされ、大きな繁栄の裏では身内から幾度となく裏切られ、命の危険にさらされることがありました。
時にはダビデ自身が部下の妻を我が物にするという罪を犯すのです。
ダビデもまた、私たちと同じように日々の思い煩いや、欲望に流されるような一人の人間だったのです。
しかし彼はそのような生の中に、神からの「恵みと慈しみ」を見出していきました。
私たちも今、多くの不安と思い煩いに悩まされているかもしれません。
孤独と、先の見えない明日に恐れを抱えているかもしれません。
それでも詩編23篇は私たちを励ましてくれます。
「死の陰の谷を行くときも わたしは災いを恐れない。あなたがわたしと共にいてくださる。(4節)」
この信仰に立つとき、たとえ深い絶望の中にあろうとも、そこに神の恵みと慈しみがあることを知らされるのです。

(20200913週報記載)

……今週の黙想とは……

日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。