2020年12月9日水曜日

今週の黙想文(使4:32)

信じた人々の群れは心も思いも一つにし、
一人として持ち物を自分のものだと言う者はなく、
すべてを共有していた。
──使徒言行録4章32節

† † †

初代教会の在り方が教えているのは、信仰者は自分の持ち物を全てを手放さなければならないということではありません。
直後の箇所でアナニアとサフィラが畑を売った財産をごまかし、一部のみ共同体に捧げて罰されたのは、全てを捧げなかったからではなく、あたかも心から捧げているように見せかけて嘘をついたからです。
ペトロは彼らに畑を売ることを強制したわけではありません。
それと同じように、この教会の姿が私たちに勧めているのは「心を込めて自分のものを誰かと分かち合うこと」です。
分かち合うためには私たちが相手が求めているものに耳を澄ませ、心を配る必要があります。
そこには他者への愛に満ちた深い関係性が前提となっているのです。
私たちの心と体に起こる全てのことを分かち合ってくださるために、神様は自ら肉をまとい、イエス・キリストとしてお生まれになりました。
そのクリスマスの出来事を胸に留め、喜びも苦難においても助け合い、支えあい、分かち合う私たち、教会でありたいと思います。

(20201206週報記載)


……今週の黙想とは……


日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。