2021年3月3日水曜日

今週の黙想文(出20:4)

あなたはいかなる像も造ってはならない。
──出エジプト記20章4節

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十戒に記されたこの規定は、単純に「目に見える形をかたどって作ること」を禁止しているのではありません。
本質的な意味で、この「像」とは「神の鏡像」のことを指しています。
神によって「神の似姿」として造られた人間こそ、神の愛が鏡のように映し出された像であるのです。
鏡に映った姿を自分自身だと認識するためには、自分とその鏡像とを外からの視点で見比べる高度な認識能力が必要だと言われます。
これを「メタ認知」能力と呼ぶそうですが、このメタは「超越する」という意味の言葉です。
ところで、ギリシャ語で悔い改めを意味する「メタノイア」も、「ノエオー(考える)」と「メタ(超越する)」を組み合わせた言葉です。
悔い改めが起こるとき、私たちは神の姿が証されているみ言葉という鏡を通して、自身が本来神が意図したかたちではないことに気づかされるのです。
私たちが実像である神の似姿へと戻されていく、その始まりに起こる悔い改めを求めて、み言葉に耳を傾けてまいりましょう。
(20210228週報記載)


……今週の黙想とは……


日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。