2021年3月17日水曜日

今週の黙想文(マタイ6:12)

わたしたちの負い目を赦してください、
わたしたちも自分に負い目のある人を赦しましたように。
──マタイ福音書6章12節


† † †

主の祈りはいくつもの訳がありますが、特につまづきやすいのは罪のゆるしについての箇所だと思います。
神に罪を赦されること、そして私たちが誰かの罪を赦すことについての祈りを、私たちはどうしても「どちらが先に起こるのか」という視点で捉えてしまいがちだからです。
ルカ福音書では「わたしたちも……皆赦しますから。(ルカ11:4)」とあり、マタイ福音書では「わたしたちも……赦しましたように。」となっており、余計に混乱します。
しかしこのように統一されていないところにこそ答えがあります。
重要なのは「どちらが先か」という順番ではないということです。
キリストの十字架によって赦されているから赦せるようになる私たちがいるという一方で、私たちが赦すことによって、キリストの十字架の赦しの尊さを真にその身に受ける体験をすることもあるからです。
表現の違いは強調点の違いであって、キリストの赦しが与えられると同時に、私たちも誰かを赦そうとすることへと押し出されているのです。

(20210314週報記載)


……今週の黙想とは……


日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。