2021年7月14日水曜日

今週の黙想文(1ペトロ2:24)

そのお受けになった傷によって、あなたがたはいやされました。
──ペトロの手紙一 2章24節


† † †

H.J.M.ナウエンは『傷ついた癒し人』の中で「私たちにとって最も苦痛なものの一つは孤独だ」と言っています。
しかし「キリスト者の生き方とは孤独を取り除くのではなく、孤独を尊い贈り物として大切にするものだ」とも続けています。
痛みは「私たちの限界を超え、私たちの存在の境界の彼方を見るための招き」であるからだと言うのです。

痛みに向き合う先に本当の癒しがある、という逆説的な真理を明らかにしたのがキリストの十字架でした。
十字架における弟子ペトロの裏切りの物語は有名です。
それゆえペトロの後悔は誰よりも深かったでしょう。
キリストが復活するまでの三日間、裏切った弟子たちは一つの家に集いながら、誰もが孤独でした。
しかし孤独の中で罪に向き合った彼らはその先で、復活のキリストと出会い、その関係を回復されていったのです。
私たちも互いに関わりあう存在として創られました。
一人静かに祈る時、これまでの関わりを省みる先にこそ主は働き、明日からの関わりを整えてくださるのです。

(20210711週報記載)


……今週の黙想とは……


日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。