2021年8月2日月曜日

牧師エッセイ(2021年8月)

自分の得意なことや好きなことが、誰かの助けになると嬉しいものです。
この二者をインターネット上で繋げるサービスがあることを知って、なんて素晴らしいサービスなのだろうと感動しました。
自分が得意なことを登録したら、それを求めている人に無償で提供することによって、それを受け取った人がまた他の誰かに自分の得意なことを提供していく、感謝の循環で人々を繋げていくサービスだというのです。
このサービスの名前が「giv(ギブ)」であることに、深く思うところがありました。

「ギブ・アンド・テイク」は、直訳すると「差し出すことと受け取ること」、その相互的な関わりをあらわす言葉です。
「テイクアンドギブ」ではないところに意味があると思います。
誰かがまず差し出す(ギブ)ことから始まるからこそ、その関わりは次に繋がっていくものになるからです。

イエス・キリストもまた、そのような関係に神様を加えてこのように言われました。
「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。(ヨハネ15:12)」。
キリストはその愛を象徴的にあらわすために、弟子たちの足を洗われました(同13章)。
感謝で繋がるために私たちが注意すべきことは、傲慢に陥らないようにすることです。
パウロが言うように「何事も利己心や虚栄心からするのではなく、へりくだって、互いに相手を自分よりも優れた者と考え(フィリピ2:3)」て互いに関わるところに、キリストが命じられた、愛によってつながる関係への第一歩が始まるのです。


ティントレット 「弟子たちの足を洗うキリスト」