2023年3月15日水曜日

今週の黙想文(マルコ4:21)

何を聞いているかに注意しなさい。
──マルコによる福音書4章21節


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大学で教員免許を取るために、教育実習に行ったときのことを思い出します。
人に何かを教えるということは難しいことで、なかなか生徒たちが自分の授業を聞いてくれないことに悩んでいました。
すると指導教員の先生から「生徒たちが何を聞きたいかを考えてやってみてごらん」と言われたことにハッとさせられました。
自分が教えるべきだと思うことを押し付けるだけで、生徒たちがどのようにそれを受け取ろうとしているのかに全く気が向いていなかったからです。
聞く気がない子にはこちらに注意を向かせる呼びかけが必要ですし、聞きたいと思っていても進むスピードが早くて間に合わなければ聞くことを諦めてしまいます。
教えるということはまず聞き手の求めを聞き取ることから始まることを教えられた経験でした。
キリストもまたその大切さを人々に語っています。
誰かに言葉をかける時、私たちは自分の言いたいことばかりになってしまってはいないでしょうか。
「あなたがたは自分の量る秤で量り与えられ」るとキリストが言うように、まずは相手の求めを聞き取り、相手が求めている言葉を選んでいくところに、豊かな「対話」が生まれるのです。

(20230312週報記載)


……今週の黙想とは……


日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。