2023年4月12日水曜日

今週の黙想文(ローマ7:15)

わたしは、自分のしていることが分かりません。
自分が望むことは実行せず、かえって憎んでいることをするからです。
──ローマの信徒への手紙7章15節


† † †

キリスト者となったパウロは、これまで神の前に自分の正しさを証明してくれていたはずの律法が、今や自分の罪を明らかにするものだと言っています。
キリストが教えたように律法に込められた神様の御心に、パウロ自身は従いたいと思っていても、なかなか自分の心はそれに従ってはくれず、かえって正反対のことを考えるばかりの現実に苦悩しているのです。
神様の愛に生きたくても、それがどれだけ大事なことかわかっていてもそう生きれない、これはすべてのキリスト者が抱える信仰の呻きとも言えるでしょう。
しかしルターもまた小教理問答の中で十戒を罪の自覚のためのものとして取り上げているように、罪を知ることなしにこの苦悩は起こりえないのです。
パウロも「従って、今や、キリスト・イエスに結ばれている者は、罪に定められることはありません。(8:1)」続けているように、罪の自覚はキリストの復活によってもたらされた罪の赦しの喜びを私たちに教えてくれるものとなるのです。
イースターおめでとうございます。あなたの罪を赦されるために、キリストは十字架にかかり、そして復活してくださいました。
復活のキリストが共におられるからこそ、私たちは絶えず罪なる自分に立ち向かい、御心に生きようとする道を踏み出すことができるのです。
(20230409週報記載)


……今週の黙想とは……


日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。