2023年7月12日水曜日

今週の黙想文(1コリ8:1)

知識は人を高ぶらせるが、愛は造り上げる。
──コリントの信徒への手紙 一 8章1節


† † †

初代教会で、ある問題が起こったことにパウロが答えています。
偶像に備えられた肉を食べてよいか否か、という問題です。
まだキリスト教の教えが定まり切っていない頃ですから、ユダヤ教の律法主義的な考え方も強く残っていたのでしょう。
異教徒からキリスト教に改宗した人々は、律法を守り、これまで信じてきた教えを捨て去ろうと意識するあまりに、「偶像に備えられた肉」を食べると汚れる(神様に反した行いになる)のではないかという議論が起こったのです。
しかしパウロは、大事なことは誰かを躓かせないように愛をもって配慮することだと言います。
聖書の言葉を「教えにはこう定まっているから」と文字どおりに受け取り、相手を細々とした罪に定めることは、キリストの愛にそぐわないものであるからです。
聖書についての豊富な知識を持っているなら、誰かを躓かせるためではなく、誰かを愛と配慮をもって、キリスト者として共に造り上げられていくために用いるべきだと教えているのです。

(20230709週報記載)


……今週の黙想とは……


日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。