2023年11月8日水曜日

今週の黙想文(マルコ1:1)

神の子イエス・キリストの福音の初め。
──マルコによる福音書1章1節


† † †

福音書の中で最も古いものはマルコ福音書と言われています。
つまり、イエスの生涯と御言葉を伝えるために初めて書かれた書ということです。
これまでイエスの生涯を描いた書はなかったのですから、マルコはどのような言葉でそれを描き始めても良かったはずでした。
マルコは福音書の全編にわたって「イエスとは何者なのか」という人々の問いを隠し続ける描き方をしています。
そしてマルコ福音書のラストは、復活のイエスを証しする空の墓を見て「正気を失っていた」婦人たちの姿で閉じられています。
なんとも尻切れトンボのようなラストに見えますが、これこそがマルコ福音書の一番の魅力であり、一番最初の言葉に戻ってきて初めて意味を成す終わり方となっているのです。
マルコ福音書のラストとこの初めの言葉をもって、キリストはマルコ福音書の読者に迫ってくるようではありませんか。
今、イエス・キリストの全てを知ったあなたにとって、それが福音とされていく「初め」が、ここに始まっているのだと。

(20231105週報記載)


……今週の黙想とは……


日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。