2023年12月27日水曜日

今週の黙想文(マタイ1:16)

ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。
このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。
──マタイによる福音書1章16節


† † †

マタイ福音書がその冒頭に「系図」を置いているのは、マタイが旧約聖書を読むユダヤ人たちを読者として考えていたからでした。
旧約聖書にはメシア(救い主)はダビデの子孫から出る、と預言されていましたから、イエス・キリストはダビデの系図に連なっているという正当性から語ろうとしたのです。
しかし、よく見ると系図として成り立っていないのが面白いところです。
系図はヤコブ、ヨセフときて、次は「このヨセフからメシアと呼ばれるイエスが…」となるのが自然なはずですが、実際には夫ヨセフと婚約関係にあったマリアに、神様の聖霊がマリアに宿り、イエスが生まれることになりました。
人間の系図に神様が入り込んでくるという驚くべき出来事こそクリスマスなのです。
「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである」とヨハネは語ります。
クリスマスの出来事は、いつだって些細なことですれ違い、憎みあい、傷つけあってしまう人々を、その悲しみに決して留めてはおかれないという御心から、起こされたものだったのです。
いたるところで平和が失われている今日この時に、キリストがお生まれになったことの意味を、心にとめてまいりたいと思います。
(20231224週報記載)


……今週の黙想とは……


日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。