2020年7月7日火曜日

今月の牧師エッセイ(牧師のヒトコト)(2020年7月)

ルーテル教会で路上生活者のための働きの一つに「ほしくずの会」というものがあります。
その会報に、フィンランドの宣教師の方が記事を書いていました。

フィンランドは福祉に力を入れていると聞きます。
そのような国ですら何百人も路上生活を強いられている人々がいるのだそうです。コロナ禍でその人数は膨れ上がっています。
しかし公的な流通システムとして、住むところや食べるもの、仕事もままならない人々のところへ、消費期限が迫って廃棄された食べ物が再配布されるように整備されていると聞いて驚きました。
日本ではありえないことです。

この国でもコロナ禍の中でこれまでネットカフェなどを仮住まいとしていた人々が路上生活へと追いやられ、住所不定のために公的な補助金が受けられないという問題が起きていました。
ここに、日本という国や人々が、弱い立場にいる人々をいかに意識していないかがあらわれています。

キリストは私たちに隣人を自分のように愛するようにと教え、彼らのところへ送り出されました。
私たちにとって隣人とは誰でしょうか。
本当に弱くされている人々を、そこから排除してしまってはいないでしょうか。
キリストは「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。」と言われました。
私たちも誰かのための小さなキリストとして、弱さに目を向け寄り添う働きを担ってまいりましょう。

(20200705週報記載)