2020年8月4日火曜日

今月の牧師エッセイ(牧師のヒトコト)(2020年8月)

松本教会に通ってくれていた子が、先日勉強のため留学していきました。

チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)という仕事を目指しているそうです。
この仕事は、たとえば子どもが医療行為を受ける時、どうしてこの薬が必要なのか、どんな効果や副作用があるのかを理解してもらい、主体的に治療に臨めるように心理的なサポートをするなど、特に子どもに対する心のケアを中心として幅広く活動する専門職なのだそうです。

日本ではまだまだこれからという職業だそうですが、この新型コロナウイルスにおいて浮き彫りになったのは、私たちの体や行動、判断などに私たちの心が深く結びついているということだったと思います。

感染者に対する心無い誹謗中傷や、感染を恐れるあまりに、ウイルスではなく人そのものを避けるようになっていく私たちの姿からは、わたしたちの心が、いかに「寄り添い」「愛する」ことから遠ざかってしまっていることが見て取れるのではないでしょうか。

キリストは社会の中で弾かれ、蔑まれ、距離を取られていた人々に徹底的に寄り添っていかれました。そして私たちにも言われます。
「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい(ヨハネ15:12)」。

身体的な関わりが制限されている今だからこそ、心に寄り添い、愛し合い、関わりあっていくことにこそ、私たちは目を向けてまいりたいと思うのです。