2022年2月7日月曜日

牧師エッセイ(2022年2月)


2月と言えばバレンタインですが、バレンタインにはチョコレートを贈るという慣習は日本独特のもので、百貨店の広告から始まったものだと言われています。
世界的には恋人同士が愛を誓いあう日として知られているのですが、このバレンタインの起源は、ヴァレンティヌスというキリスト者のエピソードに基づいていると言われています。

恋人の守護者とも言われるようになった聖ヴァレンティヌスは、カトリック教会の司祭でした。
3世紀当時、当時のローマ皇帝クラディウス2世は、「若者が戦争に行きたがらないのは、故郷に残る恋人や家族がいるからだ」と、結婚を禁じたのです。
結婚もできないままに戦地へと送られていく彼らを不憫に思った司祭ヴァレンティヌスはこの皇帝の命令に逆らい、若い兵士たちの結婚式を執り行いました。
その罪で処刑されることになっても、彼は結婚式を行うべきだという意見を曲げなかったそうです。

絶大な権力を持つ皇帝に対して、自らの死をも厭わず愛のわざを貫いたその姿は、イエス・キリストの姿に重なります。
結婚式でも「信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。(1コリ13:13)」という聖書の言葉が読まれることがありますが、彼の信仰と愛、そして彼によって結ばれた人々の愛と希望は確かにバレンタインという日としていつまでも残り続けています。
バレンタインは若者だけのイベントではありません。
自分の大切な人々と愛を分かち合う──感謝と喜びを伝え合う日として、過ごしてはいかがでしょうか?