2022年5月4日水曜日

今週の黙想文(ヨハネ1:42)

「あなたはヨハネの子シモンであるが、
ケファ――『岩』という意味――と呼ぶことにする」
──ヨハネによる福音書1章42節


† † †

岩という言葉は、旧約聖書の伝統では「揺らがないもの」ということから転じて、「揺らぐことのない救い」を意味する言葉です。
キリストがペトロをこのように呼んだことは、パウロの手紙にもこの呼び名が登場していることからも確かなことですが、福音書の中で登場するペトロの人物はとても「揺らぐことがない」人とは程遠いように見えます。
しかしそんな彼をキリスト教会の初代教皇として、教会の岩、土台として、キリストは立てていきました。
このことには、教会という集まりは決して一人の完璧な人間によって支えられるのではないことを現しています。
むしろ弱さを抱え、迷いつつも、キリストへと何度も立ち返っていく「救いへの熱意」を持つ人々によって教会とは立てられていくものだとキリストは私たちに伝えようとしていたのだと思います。
誰もが罪人であるという現実の中で、赦されていることを知っている私たちであるからこそ、教会という集まりは今日もここに立てられているのです。

(20220501週報記載)


……今週の黙想とは……


日曜日だけではなく、平日においても聖書の言葉に触れる機会として用いていただければ幸いです。
引用されているみ言葉だけでなく、聖書を開き、その前後や他の箇所を開いてみましょう。
そして、そこに生きていた人々に思いを馳せ、そこにあなたも生きていて、語りかけられているという気持ちで読んでみましょう。
自分はみ言葉を聞いてどのように感じたかを大切にし、ゆったりと考えてみてください。

あなたの日々がみ言葉によって豊かにされますように。